「ゆずり葉」の詩
「ゆずり葉」の詩
錦小学校の正門を入ってすぐ右手に、「ゆずり葉」の木と「譲り葉」の詩の石碑があります。
本校卒業生の詩人の河井酔茗さんの有名な詩です。
錦小学校の児童の皆さんに代々伝えて行きたい「詩」です。
「ゆずりは」
子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わって古い葉が落ちてしまうのです。
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって――。
子供たちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。
かがやける大都会も
そっくりお前たちがゆずり受けるのです。
読みきれないほどの書物も
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど――。
世のお父さん、お母さんたちは
何一つ持ってゆかない。
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造っています。
今、お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる。
鳥のようにうたい、花のように笑っている間に
気が付いてきます。
そしたら子供たちよ。
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見るときが来るでしょう。
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